「地方で働く」という選択肢は、ここ数年で大きく変わりました。
リモートワークやDX(デジタルトランスフォーメーション)の普及により、「仕事は都市部でなければできない」という時代から、「どこで暮らすかを自分で選べる」時代へと変化しています。
その中で、近年注目を集めているのが地方へのUIターンです。
自然豊かな環境で暮らしたい。
子育てしやすい地域を探している。
満員電車ではなく、自分らしい働き方を実現したい。
そんな思いから、地方への転職や移住を検討する人は少なくありません。
しかし一方で、
「実際の給料は?」
「生活費は本当に安いの?」
「子育てはしやすい?」
「ITエンジニアとして働ける企業はある?」
など、気になることも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、総務省や国土交通省、島根県などが公表している最新データをもとに、2026年時点の島根県の暮らしを分かりやすく紹介します。
数字だけを見るのではなく、「実際に暮らすとどう感じるのか」という視点も交えながら解説していきます。
島根県ってどんな県?

島根県は中国地方の日本海側に位置し、出雲市や松江市、浜田市、益田市などを中心に、それぞれ特色ある地域が広がっています。
県内には世界遺産「石見銀山遺跡」、日本有数のパワースポットとして知られる「出雲大社」、国宝「松江城」など、歴史や文化に根差した観光資源も数多くあります。
また、日本海に面していることから新鮮な海産物が豊富で、四季折々の自然を身近に感じながら暮らせることも魅力の一つです。
一方で、「地方だから交通の便が悪いのでは?」という印象を持たれることもあります。
実際には、島根県内には
・出雲縁結び空港
・萩・石見空港
・隠岐世界ジオパーク空港
の3つの空港があり、さらに隣県の米子鬼太郎空港も利用しやすい立地にあります。
東京や大阪へのアクセスも確保されており、出張や帰省などでも大きな不便を感じにくい環境です。
また、高速道路の整備も進み、中国地方各県とのアクセスも年々向上しています。
つまり、「自然豊かな地方」でありながら、「必要なときには都市部へアクセスできる」というバランスの良さが、島根県の特徴と言えるでしょう。
全国的な人口変化の中で、島根が描く未来
島根県の人口は、2026年時点で約62万人です。
全国的に少子高齢化や人口減少が進む中、島根県もその影響を受けています。
しかし、こうした変化は島根県だけの課題ではなく、日本全体が向き合っているテーマでもあります。
だからこそ島根県では、
・IT企業の誘致
・DX推進
・スタートアップ支援
・UIターン促進
・テレワーク環境の整備
など、新しい人の流れや働き方を生み出すための取り組みが積極的に進められています。
近年では都市部から地方へ移住するエンジニアやクリエイターも増えており、「地方でキャリアを築く」という働き方は以前より現実的な選択肢となっています。
人口という数字だけでは見えてこない、「暮らしやすさ」や「働きやすさ」が、今の島根県にはあります。
実際に生活するうえで最も気になる「年収」と「生活コスト」のバランスについて、最新データをもとに詳しく見ていきます。
年収だけでは分からない。「暮らしやすさ」は生活コストで変わる
転職や移住を考えるとき、多くの人が最初に気になるのが「年収」ではないでしょうか。
もちろん、給与は生活を支える重要な要素です。
しかし実際には、「どれだけ稼ぐか」だけではなく、「どれだけ自由に使えるお金が残るか」も同じくらい大切です。
例えば、年収が高くても、
・家賃が高い
・通勤時間が長い
・保育料や生活費がかかる
といった状況では、自由に使えるお金や時間は思ったほど多くありません。
そのため近年では、「年収」だけではなく、生活コストを含めた”暮らし全体”で働く場所を選ぶ観点も注目されています。
ここでは、島根県の住宅事情や生活コストを最新データから見ていきます。
都市部と比べると家賃負担は小さい

住宅・土地統計調査によると、2023年時点の島根県の借家の家賃は1か月あたり49,334円となりました。
東京都心部ではワンルームでも8〜10万円を超えるケースも珍しくありません。
さらに注目したいのは、「家賃あたりの広さ」です。
同じ家賃でも、住める広さが違う
住まいは、「家賃」だけでなく「どれだけ広い家に住めるか」も重要です。
平均の値段での平米数を見た時に、同じく住宅・土地統計調査によると、
東京:9〜10万円家賃 37㎡
大阪:6〜7万円家賃 39㎡
愛知:6〜7万円家賃 48㎡
島根:5〜6万円家賃 51㎡
と、島根だと広めの部屋を確保できることが分かります。
(※東京の平均の平米数は、23区の実感値からするとかなり広い印象でしょうか)
さらに、島根県の専用住宅の平均延床面積は122㎡。
全国でも比較的広い住環境が確保されています
例えば都市部では、
・子ども部屋を用意できない
・在宅勤務スペースがない
・趣味の部屋を持てない
という悩みも少なくありません。
一方、島根県では同程度の住宅費でも、
・書斎
・ワークスペース
・子ども部屋
・庭
まで確保できるケースも珍しくありません。
テレワークが一般化した今、「家の広さ」は生活の満足度を左右する大きな要素になっています。
「広い家で暮らす」ということ自体が、地方ならではの価値と言えるでしょう。
「時間コスト」も暮らしやすさを左右する

生活コストというと、お金ばかりに目が向きがちですが、近年は時間も重要な資産として考えられるようになっています。
例えば都市部では、片道1時間以上かけて通勤することも珍しくありません。
一方、島根県では比較的短時間で通勤できるケースが多く、毎日の移動に費やす時間を抑えやすい傾向があります。
1日30分(片道15分×2)短縮できれば、年間では約180時間以上。
これは、およそ1週間分以上の時間に相当します。
その時間を、
・家族との時間
・趣味
・資格取得
・副業
・健康づくり
に使えることは、お金には換算しづらい大きな価値です。
給与だけでなく、「可処分時間」と「可処分所得」で考える
島根県は、東京と同じ給与水準とはかぎりません。
(※東京と同水準を採用している企業もあります)
しかし、
・家賃
・土地価格
・通勤時間
・住居の広さ
まで含めて考えると、「暮らしやすさ」は大きく変わってきます。
最近では、働き方を選ぶ基準として、
「どれだけ稼ぐか」から、「どんな暮らしを送りたいか」
へと価値観が変わりつつあります。
地方だから妥協するのではなく、
「自分らしく暮らせる場所を選ぶ」
という考え方です。
その意味で島根県は、仕事だけではなく、生活全体のバランスを重視したい人にとって、有力な選択肢の一つと言えるでしょう。
子育て世帯にも選ばれる理由
近年、地方移住を考える人の多くは、子育て世帯です。
住宅費を抑えられることに加え、
「子どもをのびのび育てられる環境」
を求めて移住を検討するケースも少なくありません。
では実際に、島根県の子育て環境はどうなのでしょうか。
保育や教育環境など、公的データをもとに島根県の子育て環境について紹介します。
子育てしやすい環境も、島根県の大きな魅力

地方へのUIターンを検討する理由として、近年特に増えているのが「子育て環境を見直したい」という声です。
仕事だけでなく、「家族との時間を大切にしたい」「子どもが自然の中でのびのび育つ環境を選びたい」と考える人が増えています。
島根県は、こうした希望に応えられる環境が整っている地域の一つです。
待機児童は0人
こども家庭庁が公表した最新データでは、2025年4月1日時点の島根県の待機児童数は0人でした。
もちろん地域ごとの状況は異なりますが、「保育園に入れず仕事へ復帰できない」という都市部で見られるような課題は比較的少ない状況です。
さらに、住宅費を抑えやすいことから、
・子ども部屋を用意できる
・庭で遊べる
・公園や自然が身近にある
など、子育てと住環境の両方を実現しやすいことも魅力です。
地方移住では「仕事」が注目されがちですが、毎日の暮らしの満足度を考えると、子育て環境は非常に大きな要素と言えるでしょう。
島根県のIT業界は今も成長を続けている

「地方にはIT企業が少ないのでは?」
そう思われることもあります。
しかし、島根県では近年もIT産業が着実に成長しています。
島根県情報産業協会の調査によると、県内IT企業の売上高は増加を続け、ITエンジニア数も着実に増えています。
さらに近年では、
・DX推進
・クラウド活用
・AI
・Webサービス開発
など、新しい分野へ取り組む企業も増えてきました。
以前のように
「地方だから受託開発だけ」
という時代ではありません。
全国の企業を相手に仕事を行う会社や、自社サービスを開発する企業も増えています。
「地方だからキャリアアップできない」は本当?
以前は、
「エンジニアとして成長したいなら東京」
という考え方が一般的でした。
しかし現在は状況が変わりつつあります。
クラウドサービスやオンライン会議ツールの普及により、地方にいながら全国のプロジェクトへ参加することも珍しくありません。
また、リモートワークを前提とした企業も増えています。
つまり、「働く場所」と「活躍する場所」が一致しない時代になったと言えるでしょう。
島根県で暮らしながら、
全国規模の仕事に携わる。
そんな働き方も、今では十分現実的です。
島根県だから実現できる働き方もある
都市部では、仕事中心の生活になりやすい一方で、地方では仕事以外の時間も大切にしやすい環境があります。
例えば、休日には
・海へ出かける
・山でキャンプを楽しむ
・地域イベントへ参加する
・家族とゆっくり過ごす
そんな暮らしも島根県では身近です。
これは決して、
「仕事を頑張らない」
ということではありません。
仕事も充実させながら、暮らしも充実させる。
そのバランスを実現しやすいことが、地方で働く魅力の一つです。
こんな人に島根県での働き方はおすすめ
島根県で働くことは、すべての人に向いているわけではありません。
一方で、次のような人には非常に相性が良い地域と言えるでしょう。
・地方で腰を据えて働きたい人
・子育てしやすい環境を探している人
・自然の近くで暮らしたい人
・通勤時間を短くしたい人
・ワークライフバランスを重視したい人
・地域とのつながりを大切にしたい人
・ITエンジニアとして長くキャリアを築きたい人
働き方が多様化した今、「どこで働くか」は、「どんな人生を送りたいか」と同じくらい重要な選択になっています。
まとめ

今回ご紹介したデータから見えてきたのは、「島根県は給与だけでは測れない魅力を持つ地域」であるということです。
家賃や住宅価格は全国的に見ても低い水準で、広い住環境を確保しやすく、待機児童も0人と、子育て世帯にとっても魅力的な環境があります。
さらに、IT産業は現在も成長を続けており、人材不足を背景に、多様な人材を求める企業が増えています。
都市部と同じ働き方を目指すのではなく、
「自分らしい暮らし」と「仕事」を両立したい。
そう考える人にとって、島根県は有力な選択肢の一つと言えるでしょう。
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仕事だけではなく、その先にある暮らしまで含めて、自分に合った働き方を考えるきっかけになれば幸いです。

