研究職から地域密着のエンジニアへ、Uターン転職ストーリー
「地元を元気にする仕事がしたい」――そう語るのは、2025年4月に神奈川県から島根県へUターンした土居悠輝さん。現在は株式会社バイタルリードで、地域交通を支えるシステム開発に携わっています。研究職からWebエンジニアへと大胆なキャリアチェンジを選んだ土居さんに、移住・転職の背景と、今の働き方についてお話をうかがいました。
忙しい首都圏生活から、30歳を機にUターン
島根県安来市出身の土居さんは、東京の大学院を修了後、神奈川県横浜市にある総合電機メーカーに研究職として就職。画像処理の研究に約5年間携わっていました。
「10年間、首都圏で人にもまれて忙しく過ごすうちに、地元のゆったりとした空気が恋しくなっていました。30歳という節目の年でもあったので、思い切って地元に戻ろうと決めました。」
その想いを後押ししたのが、バイタルリードの「地域を元気にする」という理念でした。
「地域を元気にする」会社に惹かれて
現在は、過疎地域のデマンド交通を支えるWebシステムの開発に携わっています。使用言語・フレームワークはRubyとRuby on Railsで、補助的にPythonを使うことも。最近ではAIコーディング支援ツール「Cursor」も導入し、効率化にも取り組んでいます。
「元々Web開発の経験はありませんでしたが、地元に貢献したいという気持ちが強く、挑戦を決めました。未経験からのスタートでしたが、職場には交通コンサルや開発に詳しい先輩がいて、安心して学べる環境があります。」
出社が毎日の楽しみに。人とのつながりがストレスを軽減
前職ではコロナ禍以降ほぼリモートワーク。週1回の出社以外はほとんど人と話すことがなかったそうですが、転職後は毎日出社し、対面でのコミュニケーションが増えたことで、生活の質が大きく向上したと語ります。
「人と会話する時間が増えたことで、精神的にすごく楽になりました。職場も和気あいあいとしていて、居心地がいいです。」
自然と歴史がすぐそばにある暮らし
プライベートではドライブが趣味。最近は「道の駅スタンプラリー」を始め、休日には島根各地を巡っています。もともと神奈川時代からサイクリングや登山をしていたこともあり、自然の近さは島根での暮らしの魅力の一つだと感じているそうです。
「宍道湖は風が穏やかな日は本当にきれいで、心が癒やされます。松江城も全国のお城と比べてもトップクラスに良いと思います。」
また、実家が近くなったことで、家族との時間も取りやすくなった点も大きな変化だといいます。
移住して感じた課題とその対策
一方で、不便を感じたこともありました。ある日体調を崩した際、近くにドラッグストアがなく、薬の確保に苦労したそうです。以来、薬の常備を心がけているとのこと。
「生活の利便性はやはり都市部にはかないませんが、工夫次第で快適に暮らせます。移住を検討している方は、車の準備と住まい選びの際にバスの路線などを事前に確認しておくと安心です。」
地元を支えるエンジニアとして、これから
「今はまだWeb開発者としての経験を積んでいる段階ですが、いずれは“地域密着のエンジニア”として、より多くの課題解決に関わっていけたらと思っています。」
土居さんの穏やかでまっすぐな語り口からは、地元を支える仕事への誇りと、日々の暮らしを楽しむ姿勢が伝わってきました。
UIターン希望者へのメッセージ
最後に、UIターンを検討している方へのメッセージをうかがいました。
「島根県は実はIT産業が発展している地域です。島根に関わりのある人も、そうでない人も、ぜひチャレンジしてみてほしいです。一緒に島根を盛り上げていきましょう!」