地元への思いと、コロナ禍が背中を押したUターン
出雲市出身の藤原慎也さんは、専門学校卒業後、大阪で約12年間にわたりゲームソフトやスマートフォンアプリの開発に携わってきました。技術者として充実した日々を送る中、Uターンのきっかけになったのは実家の家族の高齢化でした。
「家族をそばで支えられる暮らしをしたいと思うようになったんです」と語る藤原さん。コロナ禍を経て、リモートワークの普及によって“都市にいなくても働ける”環境が整ったことも大きな後押しになりました。
「最初は東京や大阪の企業でフルリモートも選択肢として考えていましたが、せっかくなら地元に根ざした企業で、地域に貢献する形で働きたいと思ったんです」
そうして出会ったのが、株式会社アイティープロデュース。島根にいながら都市部の案件に携われる柔軟な開発スタイルと、充実した福利厚生が決め手になりました。
現場で培った開発力と、対面だからこその強み
現在は業務アプリケーションの設計・開発・テストなどに従事。使用する言語はC#、VB、Javaなど多岐にわたり、Visual StudioやEclipseといった開発環境を活用しています。
「今は参画している案件の関係で出社していますが、社内には在宅勤務のメンバーもいて、柔軟な働き方が可能です。個人的には、チームを組んで開発を行う上では対面の方が効率的と感じています。細かな確認や相談がスムーズにできるんです」
実際に、都市部と変わらぬ水準で開発に携わる今、「プロジェクトの内容や技術レベルにおいて、地方と都市との違いはまったく感じません」ときっぱり語ります。
島根ならではの“オン・オフ”の切り替えが生む豊かさ
「自然が本当にすぐそばにあるのが大きな魅力です」と語る藤原さん。少し車を走らせれば山や川に囲まれた静かな環境が広がり、日々の忙しさから解放されるといいます。
オフの日は、実家で畑仕事や庭の手入れを手伝うことが多く、「普段はPCに向かってばかりなので、体を動かすことが良いリフレッシュになります。自然の中で過ごすことで、気持ちのリセットができていると実感しています」
新たなつながり、そして次世代へつなぐ想い
職場では月1回のレクリエーション活動があり、バドミントンやボウリングなどを通じて社員同士の交流も活発。自然な形で人間関係が築ける点も魅力の一つです。
「年齢や職種を超えて交流ができることで、職場の風通しも良くなりますね」
将来に向けては、技術者としてのスキルを高めるだけでなく、次世代への継承にも意欲を示しています。
「自分が経験してきたさまざまな現場で得た知識を、後輩たちに伝えていきたいです。異なる視点を持つことが、チームに新しい刺激を与えるはず。地域の中でそういった循環をつくっていけたらうれしいですね」
UIターンを考える方へ、背中を押すメッセージ
「“思い立ったが吉日”です。興味があるなら、まずは一歩踏み出してみてほしい」と藤原さんは話します。
「もちろん計画性も大事ですが、動いてみて初めて見える景色があると思います。迷っているなら、一度訪れてみるだけでも何かが変わるかもしれません」