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ミラクル・リナックスは、国内で唯一の国産Linux OSディストリビューションを市場に提供している企業だ。
※注:現在はサイバートラスト株式会社に社名変更。取材当時はミラクル・リナックス株式会社。
近年では、企業向け統合監視ツールの提供や、オンプレミスとクラウド環境などを統合運用するOSSソフトの開発も行う。また、カーネル技術を生かした組込み事業では、カーナビゲーション、自動販売機、医療機器など専用機器向けの組込みLinuxと、デジタルサイネージソリューションを提供する。
2000年に創業した同社は、2015年10月、島根県に「松江ラボ」をオープンした。国内有数のLinuxディストリビュータが、なぜ松江を拠点に選んだのか。そして、ここで行われている仕事の内容や雰囲気とは?
開所してまだ約3か月の松江ラボにお邪魔した。
松江ラボはミラクル・リナックス技術本部の配下にあり、現在3名が常駐。パッケージ製品の開発とサポートを行う。
技術本部長が松江出身だったこと、そして松江高専卒業生の優秀さを認識していたことから、松江ラボの開設はトントン拍子に進んだ。
現在常駐する3名は、この松江ラボができるタイミングで東京本社から転勤してきた。
ミラクル・リナックスでは、“国内企業ユーザが安心して利用できるOSS製品の開発”を行うことを理念に、優秀なエンジニアの育成にも注力する。
「ミラクル・リナックスに問い合わせれば、Linuxのことはすべて分かる」環境と、日本の企業ユーザからの要望に柔軟にカスタマイズ対応できる技術力と製品・サービスの提供を目指す。
国内顧客の要望に応えるのが、サポート部門の藤原さんと中村さんだ。
「日本のお客様は、クオリティの要求レベルが高くて厳しい。そんなユーザの皆さまを理解し、親身になって対応する。“ホスピタリティ”を大事にした対応を心がけています。」(中村さん)
「お客様に安心して使ってもらえるように、常にお客様の助けになるにはどうすればいいか、を考えています。そのためには、いただいた要望や問合せに対し、1営業日で何らかのフィードバックをお返しするようにしています。」(藤原さん)
押田さんは、統合システム監視 MIRACLE ZBXや監視統合ソフトHatoholをメインに担当する。
「開発には一定のボリュームがありますが、割り当てられた開発部分について、一定期間もくもくと作業ができるようになりました。」(押田さん)
サポート部門では、日々のお問合せへの対応を行う。東京本社と朝夕で打ち合わせをし、その日行う内容や、課題などを共有する。会話量は減ったが、コミュニケーション量は増えたと中村さんは語る。
「対面で働いていると、忙しそうにしているところを見ると、話しかけるのに遠慮するところがありました。分所したら、チャットなどでのコミュニケーションが増え、互いに気を使い合いながらも遠慮なくやりとりできるようになりました。」
そうは言っても変化の多い業界。キャリアやスキルにおいて、都会とのギャップを感じることはないのか。
「私の場合、結果的にシステムの勉強ができる時間が増えました。落ち着いた場所で集中してITの仕事をしたいと考えていたので、東京を離れたことで、気分もラクになりました。」(中村さん)
押田さんは、通勤に2時間かかっていたところが20分になり、就業前に感じていたストレスが軽減され、開発効率も上がったと語る。「思考が分断されないため、集中して開発できる。これが分所の大きなメリットだと感じます。
普段は島根で働き、2、3か月に1回東京に行く。これぐらいのバランスがちょうどいいんです。人ごみによるストレスもなく、仕事に集中できる。エンジニアとして成長ができる環境です」(押田さん)
島根には「しまねOSS協議会」があり、頻繁に行われる会合やイベントにも顔を出すようにしている。
もちろん、東京で行われる勉強会の数にはかなわないが、「こちらのほうが、誘惑が少なくて(笑)、結果的にちょうどいいんじゃないかと思います」(押田さん)
東京では毎日のように勉強会が開催され、最新技術の動向や、自分の専門外のイベントでも気軽に参加できてしまう。結果的に自分が磨きたい分野にかける時間が少なくなってしまう。外部からの誘惑が少ない環境は、ある意味自分が取り組むべき分野に集中でき、スペシャリストに近づけるのかもしれない。
そんなミラクル・リナックス。要求される技術レベルや人物像は。
「私としては、いろんなキャラクターの人にきてもらいたい、今までのキャラクターと違う人に出会いたいと思っています」(押田さん)
ミラクル・リナックスで行われているような開発や技術サポート業務の経験者は、まずいない。IT企業での就業経験があり、
「極端にサボりグセがある、とかじゃなければいいんじゃないでしょうか。すべてが入社して初めての作業になるので。ある程度経験や能力があれば、歓迎します。」(中村さん)
日々発生するさまざまな課題や業務に対して、吸収し、成長しようと思っている人であれば、ウェルカムということだ。
「プロプライエタリの人、対外交渉に長けている人……など、IT企業で何らかの技術業務の就業経験がある方、“松江でやってみたい”という方と一緒に働きたいです。」(押田さん)
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ミラクル・リナックス松江ラボでは、現在幅広く人材を募集中だ。
新たに挑戦したい、実力を磨きたい、Linuxの開発をしたいという方に、ぜひ応募してほしい。
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